ウェアラブルパワーアシストスーツ

特許第6105091号 特願2016-237367

介護は重労働であり、機械による介護システムの実現が急務であるが、実現するには人の感性の問題をクリアする必要がある。ロボットなどのいわゆる「機械」に介護されるのは患者に対しての精神的な負担となるし、ロボットの安全性の問題が残り不安感が消えない。そこで、「介護する人を力持ちにする」ウェアラブルなパワーアシストスーツの開発が必須となる。

柔らかい素材のベローズと空気圧との組み合わせによる、軽量で柔らか、伸縮比の大きなアクチュエータを実現し、ベローズ内を正圧、負圧に切り替えることにより、正負の直動力あるいはトルクを発生させて、荷重の持ち上げや関節の回転をアシストする低床ベッド対応可能なパワーアシストスーツを開発した。

1)安全なシステム: 動きやすさと安全性を実現するために、マスターである使用者が、スレーブである機械を着用する、マスター・スレーブ一体システム。2)患者さんとのスキンシップを妨げない: 機械を使用者と被介護者の間に設置せず、背面に集約。

3)着用者の自然な身体動作を妨げない: 腰関節と股関節とを独立に設け、柔軟な空気圧ベローズをアクチュエータとして用い、柔らかさを維持しながら強力にアシスト。

 ウェアラブルパワーアシストスーツは背骨・腰・脚からなり、スーツ自体で自重を支えることが出来るので、使用者に負担はかからない。アシストする関節は腰関節・股関節・膝関節である。ベッドに近接し両脚を開いてしゃがむ動作を可能とするため、股関節の外転および外旋、足関節の外転を可能にする構造を持つ。腰ユニットには腰関節と股関節を設け、それぞれを駆動するベローズアクチュエータを備え、ベローズ内圧を負圧にすることにより、着用者の腰関節および股関節の伸展動作をそれぞれ独立にアシストできる構造。 膝関節のアシストには、まず、コイルバネのねじり力を利用したパワーアシストを採用した。次に、2段あるいは3段のテレスコープ式伸縮円筒にベローズを内蔵した伸縮比2以上を持つ新方式のエアシリンダアクチュエータを開発した。これを両脚ユニットそれぞれの大腿部と下腿部との間に挿入することにより膝関節に伸展力を加え、さらに臀部を支えるサドル部と床面との間に挿入することにより、十分な力で腰ユニットを持ち上げる方式を開発した。