ベローズ式ロボットハンド

PT/JP 4716456, US 9,138,368 B2、PCT/JP2010/058013 特願PCT/JP2014/76760

【基本理念】

義手や人の手に限りなく近いロボットハンドとしての用途を目的として以下の基本理念の基に開発されている。

1)安全なシステム:

ベローズの断面積と供給圧力との積を超える力は発生しないのでダイヤフラムポンプなど低圧ポンプにより吸・排気すればば本質的に安全なものと成り得る。

2)人の関節の動きと同様の動き:

人の関節は回転中心が一点ではないため、関節を曲げると関節間距離が変化する。ベローズを関節にすることにより、人の関節と同様の動きを実現できる。

3)軽量で柔らかい動き:

樹脂製のベローズと空気圧との組み合わせによる軽量で柔らかなアクチュエータと樹脂や軽金属によるフレームにより構成している。

【構造】人の母指の中手骨は,互いに直交する方向に動く二軸性の関節である「鞍関節」により手根骨と接続されており、複雑な関節の動きが可能となっている。これに近づくよう、一対の平板部材の間にベローズを挟み片側を拘束することにより、空気圧によるベローズの伸縮運動を扇形の伸縮運動に変え、関節の屈曲伸展運動を再現している。ベローズに空気を注入する事でベローズが伸展・湾曲し関節が屈曲し、空気を吸引する事でベローズが畳み込まれ収縮し関節が伸展する。

手の背側から見た図に示すように,ベローズを一対の平板部材により挟み込んだ構造要素の連なりとベローズの一端を回転リンクに取り付けた構造要素の組み合わせからなり,それぞれ,指関節の屈曲および伸展と各指の外転および内転とをつかさどる.手の甲を湾曲させる必要のある場合は,手の甲側に湾曲用ベローズを配置する.

義手として有用なものは人の手と腕のサイズ内に全ての機構要素が納まり,かつ,重量も人の手と腕のそれを超えてはならないという制約がある.この条件を満たすものとして,ピエゾ振動子を用いた小型のダイヤフラムポンプによりダイレクトドライブする方式を開発した.ベローズ一つ一つにそれぞれ正圧ポンプと負圧ポンプが直結され,常に,どちらか一方のポンプのみがベローズを駆動する方式で、全てが腕の中に収納することができた.この総重量は950gである.人の場合は,体重60kgの場合1800gと言われており約半分の重量である.このロボットハンドを利用すれば,遠隔地にいる人と擬似的な握手ができる.遠隔地の人にセンサグローブをはめてもらい握手動作をしてもらうと,身代わりとなるロボットハンドが自分の手を柔らかに握るという擬似的な握手体験が可能となる.写真の握手用ハンドハンドは直径50 mmのパイプを握った時,供給圧60kPaで,最大の把持力23Nを発揮する.


開発したロボットハンドは、一対の平板部材の間にベローズを挟み片側を拘束することにより、空気圧によるベローズの伸縮運動を扇形の伸縮運動に変え、関節の屈曲伸展運動にしている。各ベローズに空気を注入する事でベローズが伸展・湾曲し関節が屈曲し、空気を吸引する事でベローズが畳み込まれ収縮し関節が伸展する。

 手の背側から見た図1および手の甲側から見た図2に示すように,ベローズを一対の平板部材により挟み込んだ構造要素の連なりとベローズの一端を回転リンクに取り付けた構造要素の組み合わせからなり,それぞれ,指関節の屈曲および伸展と各指の外転および内転とをつかさどる.母指の鞍関節及び平面関節による複雑な動きである屈伸運動および内外転運動をベローズと平板部材の平面的配置により再現することは困難であるが,図1,2に示すように,母指屈伸用ベローズ‐1,2,3および母指内外転用ベローズ‐1,2により近似的に再現している.残り四指の屈伸および内外転は,それぞれ各指の屈伸用ベローズおよび内外転用ベローズにより再現される.さらに,手の甲を湾曲させる必要のある場合は,図2に示すように湾曲用ベローズを配置する.図3に製作したロボットハンドが種々の動きをする様子を,対応する構造図と共に示す.母指の複雑な動作と各指の内外転動作が再現されている.

文献: 

ベローズによるパワーアシストスーツの開発、 山本圭治郎・石井峰雄・高橋勝美・兵頭和人、日本機械学会 Dynamics and Design Conference 2010 CD論文集 No.648、2010.9、

空気圧ベロ-ズアクチュエータを用いた多自由度ロボットハンドの開発、手塚崇之,山本圭治郎,桑江ルッカス哲也,石井峰雄、日本機械学会 Dynamics and Design Conference 2016 CD論文集 No.213、2016.8